人名由来の元素名

元素名を由来のタイプごとに分けていく記事の第一弾として人名由来の元素をまとめていこうと思います。下記の元素はどれも物理や化学などの発展に寄与した人物から名前が取られています。一体何をした人なのかも分かるように軽く説明を加えています。是非クイズ対策等にもお役立てください。

64:Gd(ガドリニウム) ヨハン・ガドリン
最初の希土類元素(第3族元素)であるイットリウムを発見した化学者・鉱物学者である。(スカンジウムの方が遅く発見された。)

96:Cm(キュリウム) キュリー夫妻
放射能の研究によってノーベル物理学賞を夫妻で受賞している。
またマリー・キュリー(キュリー夫人)はラジウムとポロニウムの発見でノーベル化学賞も受賞している。「放射能(Radioactivity)」という名を考案したのはマリーである。

99:Es(アインスタイニウム) アインシュタイン
相対性理論で誰もが知る物理学者。
ノーベル物理学賞を受賞しているが、よく勘違いされているように相対性理論で受賞しているわけではなく「光電効果の法則の発見」でノーベル賞を受賞している。

100:Fm(フェルミウム) エンリコ・フェルミ
フェルミ推定やフェルミ粒子などで名を残す物理学者。
自然に存在する元素に中性子を放射して40種類以上の人工放射性元素を生成した。また、熱中性子を発見しその性質を明らかにした。
これらの成果によってノーベル物理学賞を受賞している。

101:Md(メンデレビウム) ドミトリ・メンデレーエフ
今日の元素周期表の元となる周期表を作成したことで有名。
その時発見されていた元素を並べて周期律を見出し、まだ発見されていなかった元素の存在・性質を予言していた。

102:No(ノーベリウム) アルフレッド・ノーベル
ノーベル賞の名の元になった人。
振動等に弱く危険で扱いにくかったニトログリセリンを珪藻土に染み込ませることにより爆発威力を損なうこと無く安全な爆薬を作った。これがダイナマイトである。
そのダイナマイト等で得た莫大な富を用いてノーベル賞を創設することを遺言状に残した。

103:Lr(ローレンシウム) アーネスト・ローレンス
名前自体はあまり知られていないかもしれないが、今日の原子物理学や素粒子物理学の研究では欠かすことの出来ないサイクロントロンを開発した人である。
またサイクロントロンの開発と人工放射性元素の研究でノーベル物理学賞を受賞している。

104:Rf(ラザフォージウム) アーネスト・ラザフォード
「原子物理学の父」と呼ばれる人。
ガンマ線の正体が電磁波であることを示しガンマ線と名付けた人であり、アルファ線がヘリウム原子核であることも発見している。
半減期の概念を作ったのもこのラザフォードである。ラザフォードの原子模型は有名。
「元素の崩壊および放射性物質の性質に関する研究」という功績でノーベル化学賞を受賞している。

106:Sg(シーボーギウム) グレン・シーボーグ
合計10元素もの発見に寄与した。「アクチノイド」を名付けたのはこのシーボーグである。
「超ウラン元素の発見」という功績でノーベル化学賞を受賞している。
ちなみに存命中の人物の名が付けられた元素はシーボーギウムとオガネソンの2つだけである。(当初はIUPACにより存命中の人物は元素名に用いられないことが決まっていた。)

107:Bh(ボーリウム) ニールス・ボーア
「量子力学の父」と呼ばれる物理学者。
ボーアの量子条件やボーア半径等に名前を残している。
前期量子論の発展に寄与し量子力学の確立に多大なる貢献をした為、ノーベル物理学賞を受賞している。

109:Mt(マイトネリウム) リーゼ・マイトナー
女性物理学者。
プロトアクチニウムの発見、ベータ崩壊や核分裂に関する研究で成果をあげた。
マイトナーは数度にわたりノーベル賞の候補にあげられたが、結局受賞することは出来なかった。
プロトアクチニウムの命名者でもある。

111:Rg(レントゲニウム) ヴィルヘルム・レントゲン
「レントゲン撮影」等に名を残す物理学者。
X線の発見によりノーベル物理学賞を受賞している。

112:Cn(コペルニシウム) ニコラウス・コペルニクス
地動説を唱えた天文学者。
当時は地球を中心として太陽含めたその他の天体が回っているとする天動説が主流であったが、コペルニクスは太陽の周りを地球が回っているとする地動説を唱えた。

114:Fl(フレロビウム) ゲオルギー・フリョロフ
厳密には人名由来の元素ではなく、ロシアのフリョロフ原子核反応研究所にちなんで命名されている。(場所名由来の元素名)
その研究所の由来となったのがフリョロフである。
フリョロフは自発核分裂の発見やスターリンへの原子爆弾開発の提言で知られている。
また、シーボーギウムやボーリウムを発見したとも主張していた。(シーボーギウムは同時期に発見していたアメリカ側が発見者とされ、ボーリウムの発見は認められず5年後に西ドイツが発見している。)

118:Og(オガネソン) ユーリイ・オガネシアン
ロシアの核物理学者。フリョロフの後を継いでフリョロフ原子核反応研究所のリーダーをやっている。
元素番号106番から118番まではオガネシアンが考案した合成法により合成されている。
実際にオガネシアンが合成を主導した元素は、ボーリウム、マイトネリウム、ハッシウム、ダームスタチウム、レントゲニウム、コペルニシウムである。